悪戦苦闘の教習日記(24/24)
いよいよ検定の日。思ったより緊張していません。19時間も乗ったのですから。
検定受験者の集合時間は11時ですが、一時間前には到着するように、車で家を出ます。
教習所に着くまでに違反や事故を起すとシャレにならないので、速度や一時停止などいつも以上に慎重に運転します。
集合時間までは主に二輪の教習風景を眺めたり、コース図をみてシミュレーションしたりで時間をつぶします。
検定の集合場所はいつもの二輪棟ではなく、本館の教習室。ここに入るのは、入所式以来です。あのときは、うつむきかげんで歩いていましたが、本日は卒業検定なので堂々と入ります。
私が入室したときには既に5名の方がいて、この日は計6名での検定となりました。11時ちょうどに教官も入室し、説明が始まります。
6名の受検者のうち大型二輪は3名。教官の指示で私は3番手となりました。順番は気にしないようにしていましたが、やはり1番手でなくてホッとしました。
そしてコース番号の発表となり、「先ほど教習所長から指示がありまして、本日は1番コースになりました」とのこと。
やはり水曜日は1番か。
いちおうコースは覚えており、シミュレーションも頭の中で何度かやっていましたが、一番の不安は一本橋を終えてからすぐに右に小回りして波状路のところ。ギアは1速のままでいいけど、右→左のウインカーを忘れたり、スタンディングのタイミングが遅くなりそう。
まあ今更ジタバタしても仕方ないと、自分に言い聞かせます。
その後、教官がコースの説明を注意点や過去の失敗事例も含めてかなり細かくしていただけたので、少し落ち着いてきます。
そして技能検定に関する一般的な注意事項も含めて、30分ほどで終了しました。
ちなみにこの教官は、8月にNAPS店頭で引き起こし体験を担当していたI教官で、検定用のゼッケンを配布するとき、なぜか私だけ名前を呼んで「〇〇さん、頑張って!」と言われました。
最年長だから、気を利かせたのかな。
その後、二輪棟に移動してプロテクターやゼッケンをつけて検定の時間を待ちますが、皆さん緊張感がMAXの様子がありあり。
こんなときは年の功でしょうか、彼らを見ていると逆に落ち着いてくる自分がいました。
しばらくして呼び出しがかかり、検定出発点に全員集合。
6名を、大型二輪の3名とその他二輪の3名の2班に分けて走ります。
検定員は2名一組。車であとを追いかけてきて、助手席の教官が審査員となります。
車の後席には、他の受検者が乗ります。
1番手の検定時には2番手の方が同乗し、2番手の検定時には3番手(私)が同乗し、3番手の検定時には2番手が再び同乗するとのこと。
私としては、コースの再確認や「検定員のつぶやき」が聞けるかもということで、良い仕組みだと思います。
でも1番手の方はかわいそうですね、同乗の機会がありませんから。
そしていよいよ1番手からスタート。出発地点でずっと見ていましたが、結構スムーズで一本橋もスラロームも上手い。しかしクランクで「かなり速いなあ」と思っていたら、残念ながら途中でパイロンを倒してしまい、検定中止となってしまいました。
もう一組の1番手は中型二輪の方でしたが、坂道発進でアクセルを吹かしすぎたのか、単車が暴れてしまい転倒。オートバイは検定員が押し、受検者はトボトボ歩いて戻ってきました。
可哀想でとても見ていられませんでした。
つづいて2番手。私は検定車の後席に乗車し後方から拝見します。
こちらはノーミスと思えるほど上手で、期待していた「検定員のつぶやき」も聞けませんでした(笑)。
そしていよいよ私の番です。
落ち着いて、何度もやっているいつもどおりの手順で発進し、検定走行中には、目視の確認を「ゆっくりと大げさに」を心がけます。そして今まで教官から指摘されていたことを、コースの各所で思い出しながら走行しました。
懸案の課題については、
・一本橋はたぶん7秒台。
・スラロームもたぶん8秒近くかけて無事通過。
・波状路はコツどおりに上手くでき6秒台を出せたと思います。
・S字はとくに不安なく通過しました。
・クランクでは1番手の人が頭をよぎり、慎重に低速で入ったもののヒヤッとした場面が1箇所だけありました。
ちなみに私はS字は2速、クランクは1速と決めて練習していました。これは個人の好みですね。教官によるとクランクも2速でという方もいるようです。
急制動も後輪をロックさせたもののぎりぎりライン内におさまり、坂道発進も問題なく無事に完走!
前回のみきわめ時に、「完走すればほぼ合格」と言われていたので、じわじわと満足感が沸いてきました。
それでも、
・信号のある交差点の通過時に左右の確認をしなかったこと
・検定終盤に外周道路に右折で出る際、やや斜め直線気味になってしまったこと
これらがおそらく減点になるかなと思って検定車の横で待ちます。
すると検定員が車から降りてきて
「一本橋は早かったね(笑)、あと最後の右折をもっと丁寧に行かないとね(←やっぱりね)。
で、『合格!』。
本館のロビーで待っててね」
といわれ、ホットしました。
「信号通過のとき左右の確認を忘れたのですが」と聞いたら、「青信号だったからいいよ」と言い残して、検定車に乗り込んで行ってしまいました。
点数とか色々聞きたかったのですが、「卒業式で教えてくれるかな」と思いそのまま本館に向かいました。
卒業式は3名。私と大型2番手の兄さん、そして小型二輪の方です。
待っていた間になんとなく3人での雑談中、「私はこの年なので復習しまくりでしたよ、一本橋とか」といったら、若い兄さんから「復習ってなんですか?」の返しが。
そうですよね、順調なら「復習」の2文字を見ずに終わるのですよね(笑)。
そして卒業式。
とはいっても事務員の方が、合格証書と免許センターへの提出書類とアンケートを渡して、あっさりとおしまい。
私だけ、超過教習料金を10時間分事前入金していたので、差し引いた分の返金がありました。
所長からの訓示とかあるのかなと思っていたので、拍子抜けでした。
時計をみたら、まだ免許センターの締め切りに間に合いそうだったので、教官の皆さんへの合格報告挨拶もそこそこに教習所を出発。
免許センターで無事に手続きも済ませて、15時前には新しい免許をゲットしました!
ちなみに免許センターでは視力などの適性検査と書類確認だけで、期待していた講習はありませんでした。もっと「脅かして」欲しかったです。こちらも拍子抜けです。
また免許の有効期間も、現有免許の有効期間に合わせるのではなく、本日から(ゴールドなので)5年後の期間となる平成35年になっていたのも、意外でした。
来年、元号が変ったら差し替え交換してくれるかな。
なんだか更新を忘れそうです。
ということで、私の大型二輪免許教習日記を終わります。最後まで読んでいただきました皆様、ありがとうございました。この日記のなかで、少しでも「引っかかった」ことがあれば、望外の喜びでございます。また感想やご質問などありましたら、コメントいただけますと幸いです。可能なかぎり返させていただきます。 (了)
(おまけ)大型二輪の免許を取得してから、3日後には早速大型バイクもゲットし、ツーリングなどを楽しんでいます。そしてこれからも安全運転を心がけるべく、府中の運転免許センターで開催されている、セーフティライディングスクールにできるだけ参加するようにしています。毎月第一・第三日曜日に実施され、費用は保険料200円のみと、教習所に支払った19時間分の料金を鑑みるに、なんともお徳です。
運転技術の向上とともに、安全運転への意識も啓発されるとても良い講習ですので、ご興味があれば警視庁のサイトから調べてみてください。
悪戦苦闘の教習日記(23/24)
教習その19:第二段階7時限目(みきわめ)の2回目15時から:E教官
教習もとうとう19回目となりました。あと1回復習になると20回の大台に、あと11回復習になるとなんと30回にもなります。まだ卒業検定に合格したわけではありませんが、この教習所がだんだんと名残惜しくなっている自分がいました。
さてここの教習所は、二輪については水曜日と土曜日が卒業検定の実施曜日です。本日は日曜日です。
冒頭に教官から「検定いつ受けるの」と聞かれたので、「この時間でみきわめが出れば、会社休んで水曜日にします」と答えました。感覚を忘れずに、できるだけ早く受けたかったので。
すると教官が「それでは1番コースを練習しましょう」とおっしゃいます(えっ、曜日でコースが決まるの?)。
私はほとんど土日で教習していたので、検定も土曜日だと思っていたのかもしれません。
そういえば以前に別の教官から、「検定は水曜と土曜のどっちか決めてる?それによって、、、」と聞かれていました。
「何でそんなこと聞くのかな」とそのときはやりすごしましたけど。
なお第一段階のみきわめでは1番コースでしたが、私は第二段階になってから1番コースを一度も走っていません。またその時は波状路や急制動はもちろん含んでいませんでした。
まあ、検定のコースは自分では決められないので、大人しく教官の後ろについて1番コースを走りました。
どうやら水曜日は1番コース、土曜日は2番コースなのかな。決め付けは危険ですけれど。
教官について走った1番コースでは、一本橋は9秒台、その他の課題もなんとかクリアして、法規走行も大きな問題はなさそう。だいぶ自信がついてきました。
次は教官を後にして2番コースを走ります。ところが緊張していたせいか、波状路をカットするという大失態を犯してしまいました。
それでも一本橋やクランク、スラロームなどがとりあえず無難にできたのは良かったです。
・とにかく完走すること。完走できれば合格と思っていいくらい。脱輪、転倒、急制動のラインオーバー、信号無視などの危険行動は検定中止となること。
・一本橋はタイムよりも、落下しないことを優先すること(はい、もちろんそういたします!)。
・道を間違えたら指示に従ってコースに戻ること。その経路も、安全確認やウインカーなど評価の対象となります。
・課題でのタイムや速度は検定では表示しない(これはタイム過不足だったとしても、そのマイナスに引きずられないでその後の走行ができるんだと、前向きに理解することにしました)。
・下車する際、ギアがニュートラルになかなか入らなかったら、エンジンを切ってから入れてもよい。その際は、必ずもう一度キーを回してNのランプを確認すること(みきわめ走行の最後に、どうやってもニュートラルに入れることができなかったせいです)。
そして残りの時間は、一本橋・S字・クランク・スラロームを繰り返しました。みきわめの判をいただくときに、E教官から「補修教習(卒業検定に落ちたら受けなければならない教習)で会わないようにしましょうね」との激励の言葉をいただいて、最後の教習が終了しました。
ちなみに一本橋は前々回からの3時限で、おおよそ10回程度乗りましたが、一度たりとも10秒台が出ず、全て8~9秒台でした。
でも一度たりとも落下しなかったのが良かったです。
自信がついた復習の回でした。満足です。
第二段階7時限目:修了
悪戦苦闘の教習日記(22/24)
教習その18:第二段階7時限目(みきわめ)13時から:C教官
第二段階のみきわめということで、本番を意識してまずは2番コースを走ります。タイムはともかく、一応なんとか完走できました。
教官から指摘されたこととしては、2点。
- ポンピングブレーキはリアだけでやっていたが、フロントもかけること
- 踏み切り後すぐに左折するが、踏み切りを過ぎてからの左ウインカーではなく、踏み切りに入るための右折が完了したら、すぐに左ウインカーを出すこと(ウインカーの30メートル前ルールを守りましょうということ)
ごもっともで、ございます。以後肝に銘じます。
その後は、前回に続いて本日も波状路でばたついてしまったので、主に波状路の練習をしました。
C教官のアドバイスで、ようやく波状路のコツが自分のものになってきました。
・低速でクラッチを握って進入する。
・障害にぶつかったらクラッチを離す(駆動力をかける)。
・障害から降りるときにはクラッチを握り、次の障害まで握り続ける。
・ブレーキはあまり意識しない。
教官がみせてくれた見本の走行では、ブレーキを使わずに7秒台を出していました。進入速度を限りなく遅くしているんですね。
それを真似してこの練習をやったら、ミスが少なくなってきました。
もちろんアクセルも気をつけていないとエンストするリスクがありますが、第二段階の2時限目(13/24)に教わったほどの、「ブンと」吹かすことまでは必要ないと理解することにしました。少し吹かしただけでも障害を越えられます(車両の個体差もあるかもしれませんが)。
また目線は一本橋同様に「遠くへ」と言われていますが、障害にぶつかるタイミングを見定めるために、私はあえて目線を下にして、障害を一つ一つ見ながら走ることにしました。
そうしないとクラッチを離すタイミングが分からないのです。
スラロームも、パイロンを倒すことはなくなりましたが、安定しているとは言えませんし、タイムもオーバーしてしまいます。
そこで教官が、「前輪がここに来たらアクセルを吹かす」というポイントを教えてくれました。前輪全てがパイロンを過ぎて7~80センチくらい先のところです。今までの自分は、パイロンを過ぎて直後が吹かすポイントだと思って練習していました。そしてC教官が示した通りにやったら(全てのポイントで出来たわけではありませんが)、その後6秒台が3回連続で出ました。これには自分でもびっくりしました。
C教官のアドバイスはどうやら私には、一番合っているのかもしれません。
一本橋は教習時間の最後の最後に、8秒台で走って自分なりに納得するも、本日のみきわめは復習となりました。
自分も教習中に「検定前に、もう1時間練習したいな」と思っていたので、この復習は今までと違いとても「嬉しい」復習でした。
この復習がもしかしたら最後の検定合格への大きな要因だったのだろうと、いま振り返るとそう思います。
第二段階7時限目:復習
悪戦苦闘の教習日記(21/24)
教習その17:第二段階6時限目(コース走行)17時から:H教官
シミュレーターに引き続き連続して講習です。ここまで第二段階ではひとつも復習とならず、いよいよラストスパートかな。
まず教官に後からついてきてもらって、2番コースを回ります。
指摘されたこととしては、ウインカーを消すのが早い=車体が完全にラインを超えてから、角を曲がりきってから消すことを指摘されます。
車を普段運転していると、ウインカーは自動的にキャンセルされますが、二輪は自分で消さないといけないので、曲がってからすぐに課題が控えていたりすると、その準備をしなきゃと、ついつい早めに消してしまいますからね。
気をつけます。
その後はひたすら課題の練習。
一本橋は3回やって落下なしになりました。ここまで来たら10秒台は目指さないことにしました。9秒台が出たらラッキー、8秒台でも良しと自分に納得させることにしました。ネットで調べたら、8秒台でも5点減点で済むようです(諸説あります)。
前回(19/24)で掴んだ、自分なりのコツの成果を実感します。
一方で波状路ではコースアウトあり、エンストありで「あれ、得意だったのになんでやねん」と焦りが増します。
それでも6時限目が修了となり、次回はみきわめとなりました。
第二段階6時限目:修了
悪戦苦闘の教習日記(20/24)
教習その16:第二段階5時限目(シミュレーター)16時から:H教官
今日はシミュレーター教習。解説を受けながら操作します。
とにかく危険を早めに予測して安全に努めることを肝に銘じる講習でした。
普段は自動車を運転しますが、それにもとても役立つ講習となりました。
ここで注意されたことは、「速度を落とすときに、シフトダウン=エンジンブレーキを使っているが、本来はブレーキをかけてからシフトダウンしなさい」ということでした。実戦でも使わないといけないですね。思わず納得です。
第二段階5時限目 修了
悪戦苦闘の教習日記(19/24)
教習その15:第二段階4時限目(回避、コース走行)13時から:D教官
教習所通いも、下見や入校手続きやらなんやら含め、20回近くになってきました。
二輪棟にあるバイク雑誌もすっかり読み終えてしまいました。
気分はベテラン教習生です。
今日は急回避行動のため、教官はその準備で四輪のコースへ。
準備が終わって呼ばれるまでは、二輪コースを周回し、課題を自主練習してくださいということに。
しかしなんとここへ来て一本橋を3回連続で落下するという大惨事をひき起してしまいます。
それを見ていた若いC教官にも笑われてしまいます。ヤバイ!!
さて回避操作の練習ですが、まずは自分の好きなほうに回避、続いて教官が挙げた旗の色のほうに回避。どちらもなんとかクリア。でもこの2回を行っただけであっさり終了しました。
急制動はもっとたくさんやったのになあ。
回避操作も楽しい練習なのになあ。
その後2番コースを先頭で走り、道を覚えていることを確認されます。
残りの時間は一本橋の繰り返し。
とにかくニーグリップが出来ていないと指摘を受けます。
しかし教習終了の数分前に教官から、「肩のチカラを抜きなさい」というアドバイスがこのときの私にストンと落ち(←今更か)、今一度、一本橋のルーテインを自分で考えて決めることにしました。
そして帰宅してから自己分析をした結果、私なりの一本橋のルーテインを決めました。
まずニーグリップができない理由を、分析してみました。
・発進してから一本橋に乗り上げる際、間がないために(発進時は左足を地面につけているのでニーグリップしようにもできないから)開いてしまう
・そのまま走ってしまうことでハンドルで何とかしようとしてしまう
・肩に力が入ってしまい落ちそうになり、ニーグリップが形だけになり、意識が喪失してしまう
そこで、ニーグリップの役割・必要性について、
「一本橋を安定して走る」ためだけでなく、もうひとつの理由でも、役割・必要性があると定義しました。
それは、
「ニーグリップは一本橋を安定して走るためだけでなく、乗り上げるときのショックを吸収するためにも必要なこと」
「だから発進したら、すぐにニーグリップをしなければならない」
ということです。
そして一本橋に乗ったら、
・意識して下腹にチカラをいれる
・同時に「下腹にチカラが入っているから、肩のチカラはいらない」と思い込む
・目線は遠くを見たり近くを見たりを繰り返し(目線を上下にきょろきょろする感じ)
・半クラッチとリアブレーキで、低速を「楽しむ」
・低速を楽しむことができると、ハンドル操作も自然とふらふらする
以上が結果として、私自身の一本橋の最終的なコツとなりました。
第二段階4時限目:修了